美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 真夏の太陽光がせいぜい10万ルクス…。
 一般家庭が400ルクス、満月が1ルクスのところ…

 その光は1000億ルクスという、神がかり的な照度を持っていたのでした!


 【…ーィィィン……】

 荒れ狂う光が、ひとしきり
収まりました。


 ……
 「『愛美女神の簪(かんざし)』… 侮っていた…!」
 と、竜一は額の冷や汗を拭いました。

 一方、当人である達也は事態が飲み込めず動転します。
 「…な、何があったの!?」
 父親が床に転がり、部屋中が煤を被ったように、黒く焼き付けを起こしていたからです。


 (マズいな…。 多分10キロ先まで、あの光は届いたろう…
 今、公に能力者の存在を知られるのは巧くない…)
 と、竜一は一瞬に思慮を巡らせると
 「おいで。達也くん。 どっちにしても君の居場所は無くなった。 僕と来るんだ」
 と、“優しく”達也に手を伸ばしました。

………

 達也はその手をじっと見つめました。
 「………」
 が、彼は気付きました。
 「い、嫌!」
 達也は、一見すると美麗な竜一の手の中に“男”の片鱗を見いだし、激しい拒絶を示すのでした。

 「……や、やだ。やだ!」
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