美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ！

　――　と、その瞬間！！　――

　「……んッ！」
　ユイは瞼を押さえました！
　不思議です、彼女は眩しかったのです。
　“暗すぎる闇”もまた、“明るすぎる光”と同様、人の視覚が耐えられないものでしょう。

　その奇妙な夢は、まるでドラマがＣＭに入るように、その瞬間をもって暗転たのでした。

　そうです、それは、まさに“暗転”…！

　…………
　………
　……

　「ッ！！」
　ユイは飛び起きました。

　「ハァハァハァ……」
　いつもと何ら変わらないベッドの上…。
　額に前髪が張り付くほどぐっしょりと汗をかいています。

　……しかし、どうやら彼女を目覚めさせたのは、夢の中の『闇竜』ではなさそうでした。
　というのも、彼女が飛び起きたのは、
　「目の前で数十台のカメラから一斉にフラッシュを浴びせられたような激しい光」
　を瞼越しに感じたからなのでした。

　「夢……じゃない」
　そう、その通り。

　フラッシュのような“殺人的な光”というならば、夢の結末とは、まさに“真逆”なのですから……

　いえ、もはや、“殺人的な光”などと隠す必要はないでしょう。
　なぜなら、その正体を我々は知っているからです。そうです、それは達也少年と『光竜』の仕業だったのでした。

　この『光竜』のシャイニング・ブレスは、竜一が「半径１０Ｋｍに知られた」と危惧したように、都心の多くの人々に感じ取られていました。


　
　「…何だったのかしら…」
　と、隣の部屋から麻衣の抑えた声が聞こえました。

　「…君は寝ていて…！」
　続く、低い声は裕です。何か鋭い緊張が声に含まれている事がユイには分かりました。
　一方でそれに続く、
　「ちょっ…！　ねぇ、まさか…」
　という麻衣の声には不思議なほどの焦心が感じ取れました。


　――どうしたのだろう？
　と不思議に思ったユイは、その二人のやり取りに耳を立てる事にしました。
　

　けれども裕は、ＥＰＤ能力者である娘に聞かれているとも知らず、ずばり核心を言ってしまったのです。
　
　「ああ、“シャイニング”の仕業かもしれない…！」
　　
　彼は確かに“シャイニング”と言ったのでした。