美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 「はい…。はい」
 裕の声が聞えます。
 父のその一言だけで、それが仕事の、しかも重大な電話である事がユイには分かりました。

 (…ベッドに戻って…)
 (…ベッドに戻れ…)
 ユイの一部は執拗に訴えます。しかし、ユイは……
 「……逃げなたくない…!」
 と呟き躊躇を振り切ると、ソッと扉を開くのでした。



 「はい…。ええ、そう思って間違いないでしょうね」
 扉の隙間から裕の姿が見えます…。


 何の話をしているのだろう、とユイは耳を澄ませます。


 祐は続けました。
 「ええ、通常は…。しかし子供ならあり得ます」
 「……そうではなくて、『ライトニング』の力が波及しているのかもしれません」



 「『ライトニング』……!?」
 その言葉に衝撃を受けたユイは、つい握ったドアノブに力を入れてしまったのです。
 〔ギィィ…〕
 という音を立てて、扉が開きます。そしてもちろんその音には、裕も気付きました。


 「ユ、ユイ!? どうしたんだ!?」
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