光の世界
ふたりの間で時が止まった…
息は途切れ,体中ボロボロのディアスがそこに立っていた。
「な…んで…」
ディアスは傷ついた体でレイが捕らえられている牢へ近づくと,見張りから奪った鍵で牢を開けた。
がチャリと扉を開けると,ドガっとそこへ腰を下す。
「助けに,来た…」
少しはにかんだように下を向いたままそう言うディアス。
そんなディアスにレイはたまらず抱き付いた。
「どうしてっ,こんな怪我までして…わたし…は,裏切ったのにっ」
ポロポロと涙を流しながらディアスの肩に顔を埋めているレイの頬に,ディアスは優しく触れた。
その瞬間,自分がとっさとはいえ抱きついてしまった事に気づきレイは急いでディアスから離れようとした。
しかし,それはディアスによって阻まれた。
離れようとするレイの腕をぐいとたぐり寄せると自分の胸にしっかりと抱き留めた。
「ち…ちょっと…」
「何も言うな」
ディアスはレイの唇に軽く触れるだけのキスをした。
「俺がお前の光になる」
その言葉に,レイは溢れ出る涙を止める事ができなかった。
そんなレイを,ディアスはずっと抱きしめていた…
もう…離さない…