光の世界

――――


「暇だな…」



ベッドに横になりながらぼそっとレイは言った。



サレスでの一件以来,レイは自分のしている事に疑問を持ち始めてしまっていた。



かつては組織の言う事は絶対だと信じていたが,今回はどうしても殺す気になれなかった。



「くそっ」



自分の中の何ともいえない感情に苛立ちを覚え,じっとしていられなくなった。



机においてある短刀を手にとると,レイは部屋を出た。



それもこれもあの国王が生きているからだ。殺してしまえばまた自分は元に戻れる。



そう自分に言い聞かせ,レイはひとりサレスへと向かった。
< 17 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop