光の世界
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「暇だな…」
ベッドに横になりながらぼそっとレイは言った。
サレスでの一件以来,レイは自分のしている事に疑問を持ち始めてしまっていた。
かつては組織の言う事は絶対だと信じていたが,今回はどうしても殺す気になれなかった。
「くそっ」
自分の中の何ともいえない感情に苛立ちを覚え,じっとしていられなくなった。
机においてある短刀を手にとると,レイは部屋を出た。
それもこれもあの国王が生きているからだ。殺してしまえばまた自分は元に戻れる。
そう自分に言い聞かせ,レイはひとりサレスへと向かった。