光の世界
その言葉にディアスは答える。
「この庭は,街一番の庭師が手入れをしてくれている。城で働く人が少しでも癒されるように,だそうだ。
サレスは軍事大国と言われる反面敵も多い。数日前も国王が襲われかけたばかりで…」
レイは自分の心臓がドキリと脈打つのを感じた。
ずっと顔を伏せているレイを不思議に思いディアスが顔をのぞき込もうとすると,突然レイが言葉を発した。
「こんな所まで入ってしまって申し訳ありません。私はこれで失礼します」
そういうと足早に立ち去って行った。
その時、風がふたりを吹き抜ける…
ディアスは感じた。あの香水のような甘い匂いを。
「彼女が…?」
立ち去ってく後ろ姿を,ディアスはじっと見つめていた。