光の世界
「お前が誰であろうと,どんな事をしてきた人間であろうと関係ない。
お前は俺の父を,この国の王を救ってくれた。
ここにいるのには十分な理由だ」
そう言ってディアスは城の方へ歩き出す。
「何してる。早くしろ」
今まで感じたことのない感情が一気に湧き上がる。
―――私は,ここにいていいんだよね?
気づいた時には城に向かって歩き出していた。
「俺はディアス。サレスの第一王子だ。お前は?」
「…レイ」
「へぇ…」
ふたりは一緒に城へと歩き出す。
ふたりの運命の糸は少しずつ,ほんの少しずつ絡まり始めた。