光の世界
「遅いわよー。もう待ちくたびれてお腹ペコペコ」
グラスを持ちながらティファが言う。
大広間はたくさんの人とたくさんの料理でいっぱいだった。
「リリーナがレイの歓迎会をしたかったんだってよ」
ロイが後ろから言う。
「レイさんッ。早くこっちに来て食べましょう」
何人かの兵士がレイの手をひいて輪の中へ連れて行く。
「じゃあ,レイもきたし…乾杯でもするか」
そう言いながらロイはレイにグラスを手渡す。
「お前が言ってくれよ」
グラスを受け取ったレイはぐるりとみんなの顔を見渡した。
みな自分のために集まってくれたのかと思うと,レイの中でずっと忘れ去られていた感情がじわじわ蘇ってきた。
「…ありがと」
みんなに顔が見えないようにうつむき,誰にも聞こえないような小さな声でレイが言った。