光の世界
「どうだ?サレスの暮らしは」
いつの間にかディアスがレイの隣に来ていた。
「初めてお前と剣を交えた時は,まさかお前が仲間になるなんて思ってもみなかった。
だが…お前が体を張って国王を守った時,純粋に助けたいと思ったんだ」
そう,グラスを揺らしながら話をするディアス。
女性のように美しいが男らしいその指先で持っているグラスに口をつけるディアスの姿に,レイの心は抑揚する。
次の瞬間ディアスがこちらを向いた。
金色の前髪の奥にある少し青みがかった瞳がレイを見つめる。
「…ッ」
たまらずレイが顔を逸らした。
「リリーナにお礼を言わなきゃ。探しに行ってくる」
レイは足早にその場から去って行った。
ディアスはそんなレイの後ろ姿をじっと見つめていた…。まるでレイを通して他の誰かを見ているように…