光の世界
一瞬,起こそうと差し出した手をレイは止めた。
初めて見るディアスの寝顔。男性にしておくにはもったいないくらい綺麗に見えた。
レイは寝室から毛布を持ってくるとそっとディアスにかけた。
その時。ディアスが突然ぱちっと目を開けた。
「お前…起きてたのか」
サラサラの金の髪をかきあげながらディアスが言った。
「あの、私…どうして…」
なぜ自分がここにいるのかわからないといったレイの様子を見て,ディアスは昨日の事を説明した。
ひとりでは歩けないほどに酔っ払ったふたりを店の店主が城まで連れてきてくれた事。
レイの部屋の鍵が見つけられずたまたまその場にいたディアスが自分の部屋まで連れてきて,ベッドに寝かせてくれた事。
前の日の事を何も覚えていないレイは,それ以上に自分が何か変な行動をしなかったかが気がかりでしょうがなかった。