光の世界
「あの…昨日は酔っぱらってて,それで…」
なかなか思ったように言葉が浮かばす,どぎまぎしているレイを見て,
「お前でも酒で酔いつぶれたりするんだな」
と,ソファーから立ち上がりながらディアスが言った。
そのままレイの側まで来ると,「ほら」と言いながらさっきレイがディアスにかけてあげた毛布を渡す。
「今から会議だからもう行く。部屋,出るとき鍵だけかけろよ」
そう言いながらドアノブに手をかけた。
「…毛布,さんきゅうな」
そう一言だけ言うと,ディアスは部屋を後にした。
部屋の中にひとり残されたレイはソファーに腰を下ろした。
ディアスに渡された毛布をじっと見つめながら,ドキドキと高鳴る心臓を落ち着かせる。
「私…あの人のこと…」