光の世界


漆黒の髪をした女性。そこに寝ているのは間違いなくエナだった。



――しかしなぜエナがここに?だってエナは確かに…



リリーナは目の前に広がっている現実を理解することができなかった。



「森で倒れているのを街の人間が見つけたらしい。最初聞いた時はまさかと思ったが…」



そう言いながら,ディアスは寝ているエナの頬にそっと触れる。



懐かしい感覚…間違いなくエナがそこに寝ているのだ。



「ん…」



ゆっくりとエナが目を開ける…



「ディ…アス…?」



初めはぼんやりとしていた瞳が確実にディアスを捉える。とたんにエナの表情がぱぁっと明るくなり,目には涙がうかぶ。



「ディアスッ」



エナは思い切りディアスに抱きついた。ディアスもそれを受け入れるように,優しく,それでいて力強くエナの体を抱きしめた。



懐かしい,恋人の身体を…
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