光の世界


―――――


『彼女はダークネスという殺し屋の組織の人間です。

数日後に起こる事件を彼女のせいにすればいい。そうすれば彼女はもうここにはいられません』



数日前のシーラとの取引を思い出し,エナはここまで上手くいくものなのかと頬を緩ませた。



彼女が一体誰だったのかという事も,その見返りとして自分がサレスの情報を教えた事もすでにエナの頭にはなかった。



ただひとつ気にくわないのは…



「ちょっとディアスッ!!いつまで元気ないのよ。

裏切られたっていう気持ちはわかるけど…そもそも彼女は殺し屋なんだから」



そういいながら,ソファーに腰掛けているディアスの首に後ろから腕を絡める。



エナにとってそれは何かしてほしいという合図だったが,ディアスは迷惑だと言わんばかりに腕をどかすと部屋からでて行ってしまった。



何か腑に落ちない…



ディアスはずっとそう思っていた。



レイは元々俺たちを裏切るつもりだったのか…そんな事は信じられない!!



…いや,信じたくない。



ディアスの中で様々な感情が入り乱れていた。



「なんで…なんでこんなに気になるんだ。たった一人の女の事を…」
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