光の世界


そんな時だった。ディアスの耳にレイが脱獄したという知らせが飛び込んできたのだ。



急いで地下牢へ駆けつけると,地下牢への入り口にいる兵士はやられており牢の中は空だった。



あれだけ長い間投獄されていたレイがひとりで脱獄したとは考えにくい。



やはり組織の人間が関わっている事は間違いなかった。



「すぐに辺りを調べさせろ。まだそう遠くへは行っていないはずだ」



近くにいた兵士にそう命令すると,ディアスはゆっくりと牢の中へ入っていった。



こんなに真っ暗な場所に,レイは繋がれていたのか…



中にある鎖に触れながら,レイがどんな気持ちでここにいたのかと考えると胸が痛んだ。



「俺は…お前を信じたい…」



牢の窓からは月明かりが差し込んでいた。



それは悲しくディアスの横顔を照らすのだった。



その時だった。



「…ディアス様…」
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