光の世界
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真っ暗な部屋の中,レイはひとり天井を見上げていた。
ダークネス本部の独房。サレスから連れ出されたレイはそこに入れられていた。
『もう一度ダークネスで殺し屋として働きなさい』
そんなシーラの言葉に決して首を縦に振らなかったレイは明日,組織の裏切り者として処刑される。
レイがサレスの戦力となることを恐れた組織の決断だった。
セルガイアに来てから今まで,特にサレスに行ってからはなかなか悪くない人生だった,そう思うと自然とレイの口元が緩んだ。
「おーい。生きてっかぁ」
突然の訪問者の声がしんと静まり返った独房に響いた。
「…お前,いつかの…」
そこにいたのはジェラスだった。
ジェラスは「ふぅん」といいながら独房の中を見渡す。
「なんでここに…」
「ひっどいなぁ。こんなきったねぇとこに女の子閉じ込めて」
レイの言葉を遮って,ジェラスが淡々と話し始める。