夏と風鈴
家に着くと 服を脱ぎウオッカを飲みながら シャワーを浴びた
身体は拭かずに そのまま 布団に横たわった
夏の湿った風が 少し心地よかった
チリーン
チリーン
またどこからか 風鈴の音色が聞こえてきた
煙草をふかし ウオッカを飲み 天井を見つめる
ひとりは いやだ
急に 親戚中をたらい回しにされていた あの頃の記憶がフラッシュバックされた
大粒の涙がポロポロと アタシの感情に反して 頬をつたった
ひとりは いやだ