夏と風鈴



「何がおかしい?」
虎次郎の目つきが鋭く変わった


「じゃあアタシを抱いてみな」

アタシはまた突き放す


「いいよ」

虎次郎は顔色変えずに アタシの手をグイグイと引っ張った


真っ白な彼の手は どう見てもアタシより細い

なのに 手の跡が付くぐらい力強く
この人のエネルギーはどこから来るのか不思議だった


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