夏と風鈴
虎次郎は相変らず優しく 自分がどんなにしんどくて辛くても アタシのお腹を擦った
ふたりで誕生日をお祝いしたり
ふたりで散歩に出掛けたりした
入籍もした
結婚式はお腹の赤ちゃんが産まれてからがイイだろうと しなかった
秋には みかん狩り
冬には イルミネーション
アタシ達はイベントがある度に写真を撮り たくさんの思い出を作った
そしてアタシのお腹も臨月になっていた
虎次郎は その子が女の子だと知り 自分にも他人にも優しい子になって欲しいと
優 と名付けた