夏と風鈴
「今日は天気が良いから ベランダでプールにしようね」
寝室のカーテンと窓を開ける
心地よい夏の朝の風が吹き込む
チリーンと 風鈴の良い音色が響いた
アタシはベランダにビニールプールの用意をした
虎次郎は 優の喜ぶ姿が見たいとベランダに行きたいと言った
アタシはベランダに手摺のついた椅子を用意した
キャッキャッと喜ぶ優
それを愛しく見つめる虎次郎
アタシは幸せだった
幸せが こんなにも心を満たしてくれるなんて思ってもいなかった
アタシが幸せをここまで感じれるのは 虎次郎と両親のおかげだった
優を 優しく見つめる虎次郎に “ありがとう” と微笑んだ
虎次郎も “ありがとう”と消えてしまいそうに言った