夏と風鈴




夜になり
酒と煙草で頭がフラフラになりながら アタシは仕事に出た


居酒屋のバイトだ




ある名前も知らない排泄を1度だけ行なった男に言われた事がある
「キミはどうして風俗をしないの? お金が欲しいなら風俗に行けば たくさんもらえるでしょ。」



別に金が欲しいワケではなかった
ただほんの一瞬でイイから 居場所が欲しいのだ



反論するのが面倒臭く 何も言わなかった

その男は持ち合わせがないからと千円置いて帰った



金が欲しいとは1度も言ってないのに
アタシはその金をグシャと握り窓の外に捨てた



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