執行猶予3年


そういえば、
俺はこの頃、
仕事でリーダーを取り始めていた。
今までは、
褥創の処置をしたり、
薬を配ったり、
点滴をしたり、
フリーの仕事をしていた。
今度は、
患者を受け持って看る、
リーダーをやってた。

そうなると先生との絡みも出てきた。
今まで先生なんて、
注意して見た事無かったから、
先生の名前なんか、
吉川先生くらいしか知らなかった。

よく見りゃ、
先生っていっぱいいた。
だが、
どの先生が何を先行してみてるなんて知りやしない。
おまけに、
医者なんて言う生き物は、
怖いって言うのが定石だ。

俺は、
行くのが億劫になっていた。
先生と絡んでみれば、
なんてことない。
怖い先生はいなかった。
顔は別として。

こうして、
慌ただしく、
年の瀬を迎えて行った。


この年の瀬。
俺にとって、
考えがたい。
二度と思いだしたくない。
そんな経験をしたのは、
未だに覚えてる。



< 101 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop