執行猶予3年
本日クリスマス。
悲しいことに、
イベント事となると男が居なくなる、
そんな呪いにかかってる俺。
いつだか、
知り合いの人の家って、
椛田さんたちには言ったけれど、
実は、
家の職員の家に、
クリスマスパーティに行ったわけですよ。
何でそんな下らねえ嘘ついたのかは、
今から言うけれど。
フィリピン系の、
看護助手の家に行ったのだけれど。
これが悪夢の始まり。
一人で行くのもなんだし、
洋ちゃんと、
鶴を誘った。
面白そうだから来るって。
さて、
ホームパーティなんて初めてだ。
なので、
何を持って行っていいか分からない。
たくさん人が来るらしい。
ケーキと食べ物はいっぱいあるし。
この辺に、
気の利いたワインなんてものは売ってないし。
さて…。
ふと目に留まったのが、
花屋。
これだ。
「おばちゃん。
かわいらしくって豪華に見えるのを、
一束包んで。」
これが元凶だった。
「何今日デート?
彼女若いのよね?
貴方も若そうだから。」
いろいろ突っ込みどころがあったけれど、
黙ってた。
「ピンクのバラはサービスよ。
上手くやってらしゃい。」
なんていいながら、
おばちゃんは、
サービスしてくれた。
これが余計なおせっかいだった。
俺は、その花束を持ち、
看護助手の家に向かった。
快く迎え入れられ、
知った面々がいた。
多くはフィリピン系の看護助手仲間たち。
看護師は、
俺一人だけだった。
やや、
居心地が悪い。
早く洋ちゃん達来ねえかな。
「これ、
みんな食べ物持ってくるから、
俺は花にしてみた。」
「アリガト。」
片コトで言った言葉に含まれる意味を、
俺は知らなかった。