執行猶予3年


何でこんなことになった。

テーブルに隣立って、
ワイングラスを傾ける俺達。

にっこりほほ笑む彼女。

「旦那は、イイの。
娘たちも許シテくれるワ。」

何を。
俺の頭にはどうやって、
此処から脱出するか。
それしか頭にになかった。

「貴方がクレタ、
ピンクのバラ。
嬉シカッタ。
アタシ、ピンクのバラ好キなの。」


今タイムマシンがあったら、
クリスマスの夕方ばらを買う寸前に戻って、
花を買おうとしてる自分を、
シバキ倒したい。


「松永サン。
あたしの事好キ?」


「…ゆ、友人としてね。」

もうしどろもどろ。
頼むよ。

「今日ハ、泊ッテね。」

見えるのが、
セミダブルのベッド。

やばい!!
早く逃げなければ!


食われる!!

「ネェ…。」

迫ってくる顔。
近い近い近い!!

「明日仕事だから!!
早いから!!
俺彼氏いるし。
ちょっとそんな風に見えません!!」

もう、
思いつきで彼氏いるって、
嘘ついた。
とたんリビアの顔色が変わった。
殺される。
一瞬思ったが、
殺されなかった。
じゃあ、送っていく。
そう行ってエントランスまで付いてきた。

彼女の家はマンションの10階。
エレベーターが来るまでのわずかな時間。
俺には長かった。

やっと来たエレベーターに飛び乗った瞬間。
動きが止まった。

正面を向いた瞬間、
彼女が俺に抱きついてるのが分かった。

俺の思考ショート。



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