執行猶予3年
そんな、
超ネガティブな考えをしながら、
独りで、
部屋にこもってた休日。
夜には暇になって、
外に出た。
そうすると、
1本の電話。
『薫ちゃん?』
そう源氏名で俺を呼ぶのは、
夜の店の時代の仲間。
『どうしよう。
家の店、潰れちゃった。』
どうも、
何かの法に触れてたらしく、
摘発されてしまったらしい。
「あっそ。
俺辞めててよかったわ。」
『なにそれ?
薄情な言い方。』
「知らんかった?
俺めっちゃ薄情やで。
えぇ金儲け。
させてもろうたわ。」
『これだから…。
関西人って現金ね!!』
ブチって切れた。
彼女は、
嫌、彼女たちは、
俺の事最後まで、
関西の人って思ってた。
夜の世界で働くなら、
軽快しなきゃ。
私生活は他言タブー。
何に巻き込まれるか分かったもんじゃない。
ぁぁ、
俺失業したら、
詐欺師でもできるんじゃないかな。
面倒なことは、
ほっておこう。
俺は、
こうして、
誰とも長続きしない。
大事にしたい人と、
そうでない人がはっきりし過ぎてるから。
この時は、
そう思っていたけど。
その後、
判明した。
俺、以外とお節介焼きだった。
「お姉さん?
一人で飲んでるの?」
つらつら考えて、
スタンドバーで飲んでいたら、
一人のお兄ちゃんが声掛けてきた。
ハルイチくん。
こいつは面白い奴だった。