執行猶予3年

3月の頭に、
地元に帰った。
実家ではない。

実家から電車で1時間の場所にある、
学校に行った。
通学に2時間かかっていた、
看護学校だ。

前日、
鶴と、
洋ちゃんが帰って、
今日合流するはずだった。

着た国に近い地元は寒くて、
俺はどこの成金やねんって、
感じの白い長い毛のフェイクファーのコートを着ていた。

みんなじろじろ、
視線が痛い。

ん~。
学生時代か。
金髪でライダース着て、
自治会長やってた。
生徒会長みたいな感じの奴。
運営費は、
なんたらかんたら、
銘打って、
おおっぴらに、
飲み会日に使っていた。
創立以来の、
問題会長やったろうに。

お陰様で、
一部の先生方とは、
よく、
ぶつかっていた。
まあ、
今となっては、
いい思い出ですけど。

貴方に、
看護師は務まらないって言われたけど、
こうして、
やってますよ。
ババアどもみたいな感じ。

そんなこんなで、
学校行ってきた。
洋ちゃんの金パに、
ピアスの増えた俺たちに顔を見て、
目を丸くしていた先生たち。
笑える。

まあ、
何の思い出も残さないまま、
帰ってきた。


まあ、
こうしてやってますよと言ったけれど、
実際、そうでも無かったりして。


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