執行猶予3年
でもさ。
恵まれてるんだよね。
おばちゃんたちもさ。
普通なら俺なんか、
格好の餌食やんか。
若いし、
とりあえず何かすれば、
抜けがあって。
怒られるけど、
そんなに、
凹むほど怒らないし。
うん、
甘えてるかな。
でもさ。
そんないい時って何かあるわけよ。
「マンネリって言うかね…。」
どちらかとは忘れたけれど、
俺がそんな言葉を聞いたのは、
5月あたりだった。
生活を成り立たせるために、
洋ちゃんと鶴二人は、
共同の目的があったけど、
今は、
二人ともバイトだけど、
看護師のバイトで、
食うには困らない。
十分なだけ稼いでる。
つまりは余裕が生まれたのかな。
その時はそうは思わなかったけれど。
ライブに行くと、
やっぱり派閥があって。
「私はあの麺昔から知ってる。」
的な女の子が強い。
その周りに群れが出来て、
俺たちは、
ドラム君の彼女から、
その子たちに紹介された。
俺には屈辱だったけど。
何でこんなバカ女どもに俺は頭下げてるんだって。
何が偉いんだか分からない。
今は、思わないけど。
その頃は、
その世界がよく分からなかったから。
俺目線でいえば、
女の子たちは、
麺たちに何を求めてるのか、
いまいち分からなかった。
その場限り、
空気が楽しければいい。
音楽を聴きたい。
そう言う子もいるのかな。
でも俺には、
女の子たちが、
麺たちとつながりたい。
そう思ってるようにしか見えなかった。
純粋に楽しんでるのだろうか。
一種の疑似恋愛ゲームのように見えたことすらあった。
ソレは、
本の一部の子だろうが、
そう言う子がいれば、
そう言うのを目当ての奴もいるだろう。
一生懸命やってるやつが馬鹿を見る。
申し訳ないけれど、
一時そうゆう風に見えた時もある。
何故かと言えば、
鶴が泣いていたから。
俺にとって、
目に入れても痛くない程の鶴を泣かしたからだった。