執行猶予3年

愛梨ちゃんと飲んだ後。
1個下の後輩は明日が仕事だからと、
途中で帰った。
それから、
俺たちは3人でカラオケに行った。
もう酔っぱらい二人に囲まれて、
俺大変。
実のところこの頃俺には彼氏がいて、
実に微妙な関係だった。
まあ、
別れちまったけど。

たまには気分転換もいいじゃないか。

そして俺の悪戯心が働いた。
酔っぱらい二人は、
カラオケで寝てしまった。
俺は洋ちゃんのポケットに、
金を入れて、
寝ぼけて返事する彼に、
帰ると告げて、
そのまま帰ってしまった。

翌日。
彼は、
愛梨ちゃんを駅まで送って行ったらしい。
そんな報告の電話がきた。

「で、
お前ヤったのか?」

『そんな訳ないだろ。』

「なんでだ!
あんな美味しいチャンス!
作ってやったのに。」

新発見。
俺ら二人で飲んだ時。
悪乗り全開になる。
そんなやりとりのひとつ。
まあ、
実際そんなことはしないって分かってたけど。

『可愛かったけど。
やっぱ俺にか鶴部いるじゃん。』

「あっそ。
うっせ。
この真面目人間。
お前それでも●ンタマついてんのか!?」

『あれ?
付いてなかったっけ?』

「まじで。」

なんて笑ってたら、
悲劇を見た。











「まっちゃん。
何か隠してるでしょ!?」


「何が?」

「あたしがいない間に何かあったでしょ。」

「別に。
洋ちゃんと一緒に飲んだくらいだよ。」


女の第6感こんなにさえるものなのかと感心した。


いつもの如く、
路地裏の鶴たちの家の脇の街灯の下で、
コンクリに座り込み、
話していた。


実際俺は最初の鶴の第一声で、
事がばれていると知った。
< 124 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop