執行猶予3年


「洋ちゃん。」

「ん?」

「愛梨ちゃんとはどうよ?」


今日も、
夜中の師長室で、
懲りずに悪乗り。

俺の腹は決まってた。



「いや。
可愛いけど。
鶴部いるし。
好きだし。
だから、愛梨ちゃんは別。
アニメみたいなもん。
分かるっしょ?
松永~。」

「お前、
男なら、孕ませろ。」

「なんだ?」

「洋ちゃん、
愛梨ちゃんとメールしてんの?」

「たまに。
つうか今。」


状況を知らない能天気さ。
まあ、俺が言ってないんだけど。
ぶん殴るかもしれん…。

八つ当たりだけど。


「最近やたら、
鶴部が愛梨ちゃんの話しだすんだよね。
松永言った?」

「言うわけねぇだろ。」


ごめん。
洋ちゃん。
もうバレてます。
俺からは言ってないよ。
ほとぼり冷めるまで、
こいつに嘘つき続けるのか…。

少し罪悪感。


いやでも。
ほとぼり冷めれば、
今まで通り…。


俺が行かねえ。




「用心しろよ。
女は怖ぇぞ。
携帯にロックかけろよ。」

「いや、
俺鶴部信じてるから。」


そのピュアさが憎い…。


「洋ちゃん。
もっと人を疑えよ。
俺の言う事なんか、
信じるなよ。
言葉を疑ってくれ・・・。」


「何言ってんだ?
今度さ、
また飲もうねだって。」


…。
知らないって、
罪だと思う。

俺どうしよう。
天秤の支柱の気分。


どちらともつかず。
この中間地点が辛い。










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