執行猶予3年
やっと着いた警察署。

そこで長い尋問が始まった。
警察は協力的であって、
そうでなかった。

相手が病人である以上、
無下に手を出せない。


「どうすれば、
逮捕できますか!」

「医師の証人と、
退院すれば、
病院を一歩出れば、
そこで確保できます。」

「全部必要なものは揃えます。
捕まえてください。」


俺はいら立ってた。
部長の言い草。
仮にも最高責任者の言い草か?


まるで職員を卑下するような言い草。


「警察も、
人手がないので、
貴方、
病院との連絡係してもらえますか。」

俺はそれから、
先生と連絡をとったり、
必要な書類をそろえたり、
大変だった。

でも、
後から聞けば、
みんな協力してくれて、
先生は必要なことを警察に説明してくれ、
退院に向けて処方箋を書いたり、
その男の素行の悪さを証明してくれ、
看護助手は、
夜勤の前だと言うのに、
警察署にその男にセクハラされたことを、
証明しに来てくれた。

俺も昨日の昼間から、
不眠不休。

そんなさなかだった。


「今、田沢先生と言う方から、
電話が入りまして、
容疑者が転院したとのことですが、
どういうことですか!!」

「は?
家にはそんな名前の医者はいません!
ソレは部長、
理事代理です!!」

「転院してしまうと、
逮捕は難しくなります。
別の病院にまた同じ要請をしなくては。」


つまりは、
この1日の事が無駄になった。

俺のイライラはピークだった。


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