執行猶予3年


もう、
夕方で、
病院では、
みんな待っていてくれた。
夜勤のメンツがそろい、
申し送りの最中。


「僕ちゃんたち大変だったね。」

碧さんが、
片言の英語でねぎらってくれた。

「お団子食べて。
大変だったね。
ホントあの馬鹿許せないヨ!
碧さんは、
民家サンの味方だからね。
部長が民家さんを辞めさせるようなことがあれば、
碧さんも、
みんなで辞めてやる。
だから元気出してね。」


俺も嬉しかったけど、
民家はもっと嬉しかったと思う。


「お前。
師長に礼言えよ。
おめえの為に首掛けてんだからな。」


俺たちは、
ナース室の向かいの、
処置室に身を隠してた。

「師長。
お疲れだったね。
松永君ありがとうね。」

「別にいんっすよ。
でもどういうことっすか?
山田、転院って。」

「口出す間もなかったのよ。
気づいた時には、
いなかったわ。
部長が手を回したのよ。」

意味が分からなかった。
どうしてそんなことをするのか。
そして悔しかった。

権力に負けた。
職員をどうでもいいと考えるその考えが、
たまらなく悔しかった。


「部長が来てるわ。
挨拶してきなさい…一応ね。」

「挨拶する事なんかねえよ!
ふざけんなよあの婆!!
相手は逮捕できねえわ、
なんだこの屈辱。
民家の立場はどうなんのさ!」

「一応部長も、
連絡してくれたんだから。」

師長の立場もある。
俺は折れるしかなかった。

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