執行猶予3年


かろうじて首にはならんかった。

それどころか、
翌日夜勤に行ってみると、
パソコンをいじってる俺の前に、
部長がきた。


「松永…。」

「あ゛?」

「松永君。
この間はごめんね。
お疲れ様でした。
夜勤頑張ってね。」

「はい。」

「今日は落ち着いてる?」

「はい。」

「それじゃお疲れ様。」

顔なんか見なかった。
部長は強いものに巻かれろだったらしい。

俺はそれから部長に何か言われることはなくなった。


逆に、
民家への当たりが強くなった。


「あたしがいない間にそんな事があったの。」

「そうだよ。
超大変だったよ。
超ムカついたし。」


俺はそこはかとなく落ち着いてた。

久しぶりに椛田さんとあって、
そんな話をした。


「あんたもお疲れだったね。
でも一番傷ついてるのは、
民家だから。」

「あぁ、そうだね。」

「守ってやんるべ。
な。
他のバイトの耳にも、
もうその話ははいってるから、
そんなこと掘り起こされてまた傷つくだろ。
私も口止めするから、
あんたも協力するんだよ。」

「分かってるよ。」

「あの子は強い子だよ。
ぁんなことあっても、
病院ちゃんと着てるんだから。」

「あぁ、
俺は速攻辞めるね。
部長刺してから辞めるわ。」



この頃俺の日常は、
ムカつくことばかり。
イライラは常に、
ピークすれすれ。

そんな事が一気に重なってた。




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