執行猶予3年
奈菜ちゃん。
八巻の友達の奥さん。
辰治と言う、
アホは今、八巻の向かい側の墓の中。
男と言うのは、
馬鹿な生き物だったりする。
八巻は、
俺が18の夏。
辰治は21の冬。
二人とも、
死にました。
二人とも自分で死にました。
何でかは、
今も分かりません。
「なんで奈菜ちゃん居るん?」
「辰治の月命日。
忘れたの?」
「忘れたい(笑)」
「どうしたの?
実家に行ったの?」
「嫌、ここだけが目的で来ました。」
「はは。
何かやらかしたか?」
「ヤンキーの感は相変わらずですね。
変わらんのう?
なぁ、
樹里?
いくつになった?」
「6歳~。」
辰治の子供の樹里ちゃんは、
絶世の美女。
マジ可愛い女の子。
「もう小学生か。」
「早いわね…。」
「ホンマやな…。」
早い。
僕の青春そのもの。
ただ根暗で、
閉じこもって生きてくようなそんな僕。
奴らは僕の青春を作ってくれた、
かけがえのない存在だった。
思い出すのもおぞましく笑える日々。
楽しすぎて、
学んで、
悪いことをしたような気もするけど、
何より勉強になった。
出会いはさかのぼれば、
中学3年の冬までさかのぼる。
俺は、
これでもない真面目ちゃんだったって言ったら、
信じますか?