執行猶予3年
「おい…。
あれ、洒落か?」

遠くで、
八巻が稲田の胸倉を掴んでた。
暗くてよく見えないけど、
怒鳴るような声が聞こえる。

「洒落じゃねぇべよ!!」

その場にいた、
辰治と、
小石、藍田が走った。
俺も後を追う。




「てめえ!!
何してんだよ!
ふざけた真似してんじゃねえ!
てめえだけならまだしも、
一愛にまで進めやがって!」


俺らが走ってる最中、
2,3発、
稲田の顔面に八巻のパンチが入ってた。
これは洒落じゃねぇ。

八巻を怒らすのはまずい。
今まで切れたとこ、
一度も見たことないけど、
辰治に八巻伝説聞いてる。


とにかく半端じゃなかった。

「やめろ八巻!」

「やかましい!!
止めんじゃねえ!
後10発殴らせろ!!」

「そんなに殴っちゃ、
顔の形なくなるだろ!!」

「丁度いいだろ!」

「よくねえっつうの!」

2人がかりで、
八巻を稲田から引っぺがした。
おれはただ傍観。
ポッカーンとしてた。

だって初めて見たし。

八巻のマジギレ。



「今度顔見せた、
てめえぶっ殺すぞ、オラ!!」

「犯罪だから!!」

稲田は血相変えてどっかに行った。
俺はほっと一安心したのもつかの間、
ブチギレた稲田と目があった。

「ひ~と~え~。」

「な、何!?」

「お前、何にも吸ってねえだろうな!?」

「何を!??」


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