執行猶予3年

「おい、一愛。
最近八巻おかしくねえ?」


帰り道。
八巻と離れた瞬間、
金井に言われた。


「なにが?」

「別に何がってわけでもないし。
付き合い悪いし。
なんかあったのか?」

「お前の彼h詩じゃないんだから仕方ねえべ。」


俺はそう言って笑った。
俺もおかしいって思った。
でも、
楽しくて忘れたふりしてたんだ。


”今が”楽しいから。
今だけ。




でもね。
予感とか、
違和感って、
未来の匂いなんだ。

何かが起こる前兆。
当の本人が予期しなくても、
それが本人から発してくる。

金井はそれに敏感で、
俺は鈍感だった。


今を、
何も考えず、
言葉を、
それらを疑わず。

そうだね。
若すぎた。






異変はそのすぐ次の日に起きた。



夜に突然のコール。

八巻だった。



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