執行猶予3年


夜勤が終わり、
家に帰ってきた。
とたんに携帯が鳴った。

RRR…
メールだ…。
誰?
洋ちゃんだ。
――――――――――――
”Re:
――――――――――――
知ってる?
保さん姿消したらしいよ。

end”
――――――――――――

保さんってのは、
保美先輩って言う、
俺らの二学年上の看護学校時代の先輩。
名前に似合わずガタイのいい男の先輩。
年は30歳を越していたような…。


学生時代、
音楽隊って言う軽音部で少しだけ一緒だったな。
何度かギターを教わった、
思い出がある。
地元から少し離れたところで、
それでも県内に就職したって聞いたけど。

少し、
病棟での人間関係がうまくいってない。
そんな話をいいたことがあった。

―――――――――――――
Re:RE;
―――――――――――――
死んでんじゃねえ


end
―――――――――――――


愚かにも、
笑い話にしてしまった。
それから、
すぐ、
5月の終わりころ、
彼の死体が発見された。

車の中で、
練炭を炊いて、
死んでいたそうだ。

ひっそりとした林の中で。
車内には、
学生時代のみんなでとった写真がたくさんあったそうだ。


そう…。
自殺だった。



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