執行猶予3年
虚しくなった。
看護師と言っても所詮人間。
病める人を看護する人間。
その人間が、
人を追い込み殺したんだ。
俺は、
なんだか腹立たしくって、
そんな食に付いてる自分も嫌で、
もともと嫌だったけど。
そして、
虚しかった。
俺は何のために生きてるんだろう。
この頃は毎日のんなことを考えていた。
腕に増えていく傷。
中学時代からそうやって、
上手くいかないときは、
自分を傷つけた。
誰も、
気づいちゃくれないなんて事、
知ってたさ。
でもな。
止められんのだ。
そんな、
夜勤明けの日。
もう一つ不幸の電話が舞い込んだ。
オカンだった。
できるならば、
こんな日は、
オカンの声なんか聞きたくない。
どうせ、
ヒステリックな金切り声で、
怒鳴られると思ってたから。
「もしもし…?」
『何やってんの?』
「夜勤明けで、
家にいるけど。」
『じゃぁ、
今すぐ帰ってきなさい。
爺ちゃんが死んだから。』
もうほっといてくれ。