執行猶予3年
piece2~迷子~
Ⅰ,入口
仕事を辞めるまでの一か月。
まずは部屋探し。
此処は寮だから、
辞めたら出ていかなきゃならん。
行く場所は決まってた。
北区だ。
寮を出ていくリミットまであと数日。
そんな今日は、
洋ちゃん家に泊まりがけで、
部屋探し。
安いところ。
今月分の給料と、
10万円くらいボーナスが出る。
その範囲で引っ越さなければ。
決まったのが、
駅から5分。
3階建てのアパート。
見た目やばい。
めっちゃ古い。
築数10年の木造。
まぁ、いいや。
住めれば。
引っ越しの段取りを決めて、
洋ちゃん宅へ。
「洋ちゃんは?」
「今日、仕事だよ。
もう少ししたら帰ってくんじゃない?」
機嫌のいい鶴がいた。
「鶴は仕事決まったの?」
「ま~だ。」
こいつは、いいよな。
少し思ってしまった。
まぁ、
いいや。
俺の柄じゃないし。
「おぉ!松永!」
「おせぇよ。
早くのむべよ。」
そのまま、
遅くまで飲んで寝た。
翌日は昼ごろ荷造りの為に、
家に帰った。