執行猶予3年
Ⅲ,底
翌日夜から、
また仕事。
少し、バイトが軌道に乗り、
今月は少しやせもうかな。
そんな考えをしてた。
先月のコーヒーのバイトの給料も入るし。
「今日、飯何~?」
「肉じゃが。」
最近、
彼氏となった原は、
此処3日、
ずっと家にいる。
家から、
仕事場の方が近いらしい。
出来上がった飯を、
テーブルに運ぶ。
「うまいよ。」
「当たり目えだろうが。」
こっちに来て初彼なので、
少しうかれてた。
そんな時だった。
「明日、バイト終わったら、
ご飯食べに行こうよ。」
「あ、駄目。
俺金ない。」
「え~。
いいよ。今少し余裕あるし、
驕ったげる。」
「マジで!?」
嬉しそうな顔。
俺も外食なんて久しぶり。
でもこの一言が、
よくなかった。
「ねえ、一愛。
金、貸してくんねぇ?」
「え?どうしたの?」
「水道止まっちまってさ。
手持ちないんだ。
今度給料、入ったら、
返すからさ。」
「絶対だよ。
俺だって金ないんだから。」
でも、
返ることはなかった。
その上。
「ただいま…。」
「お帰り。」
「お帰りって、
何で家にいるの?
今日朝から現場でしょ?」
「寝坊して…。」
昨日も寝坊しなかったか?
「今度はちゃんと行ってよ。」
「はいはい。」
こんな調子で行くわけがない。