執行猶予3年
「今日、ビザ更新に行かなきゃ。」
原が部屋に入り浸って、
10日経つある日。
ぽつりとつぶやいた。
「へえ~。
区役所…・・?」
「うん。
だからね、
更新料かかるの。
貸して…。」
「また~?」
こいつのせいで、
生活はほんとに苦しかった。
日払いで稼いだお金は、
その日のうちに消えていく。
もちろん蓄え何かない。
「…って、言うか。
あんた、ビザって何?」
「あれ?
言ってなかったっけ?
俺、日本人じゃないよ?」
「はぁああぁ?
何人だよ!!?」
「中国人。」
「原 正春って、
めっちゃ日本人じゃんか!!」
「まあ、いろいろと。」
「日本語めっちゃ流暢やんか!」
「小学校から日本いたし。」
大きなため息が出た。
どっと疲れも来た。
もういい。
別に日本語通じるし…・・。
原って、
こんな奴だっけ?