執行猶予3年


一度だって、
俺の話をまともに聞いてもらえたことはない。

今思えば、
1割くらいは、
聞いてもらってたけれど。

もう、
これだけの距離を取っていれば、
いい関係をとれていれてるけれど、
昔は違った。

母親を気違いとしか、
思えなかった。
おかげで俺はいい子に育った。
それがブチ切れ始めたのが、
看護学校に入ってから。

金髪にして、
ライダース着て、
ギター背負って。

見た目、
ヤンキー。

その容姿に合ったことしていた。
喧嘩したり…、
まぁ・・・、
それはそのうちに。


「…あんた、
その腕は何?」

半袖に隠れていた、
傷がちらりと見えた。
オカンは見逃さなかった。

やっぱりオカンやと思うた。


「…・・。」

俺は、
床に座り込んで、
お菓子を食いながら無視。


「辞めてもえぇ。」

「あ?」

なんつった?

「辞めてしまえ。
そんなん嫌だったら、
辞めてしまえ。」

「マジかよ?」

「マジかよじゃねえわ。
そんな思いがあるんだったら、
辞めていい。
その代り、
自分の事切るな。」




その代り、
辞めたらすぐに就職する事。
ごめん。
もう辞めてるんやわ。

でもちゃんと生活するから許してな。


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