執行猶予3年
車のスピードが落ちてきた。
停車させる所を探しているようだ。
どうしよう嫌だ怖い気持ち悪い。
こいつら殺したい。
そんな中でも、
手は、
動くのを止めず、
衣服は乱れに乱れてた。
あぁ、誰も助けてくれない。
見捨てられたんだ。
騙された。
みんな死ねばいい。
暑い車内。
クーラーがかかっていても、
汗が流れる。
ぼたぼた、
汗が腹に落ちて、
汚い。
人間とはこんなに醜いものだと知った。
「お前が、
騙される方が悪いんだよ。」
俺の中の回線が切れた。
音を立てて何かが崩れてく。
「そうだよ。
初めから大人しくしてろよ。
気持ち良くしてやっからよ。」
カチャカチャ、
ベルトをはずす音。
そんなものはどうでもよかった。
そうか。
騙される方が悪いのか。
そうか。
じゃあ、
殺られる方も悪いんだな。
「あ――――――――――!!!」
出したこともないような、
大きな声。
叫ぶと共に、
男がひるんだ。
作業着のボンタンをはいていた俺。
そのポケットに、
道具が入っていた。
その中から、
彫刻刃の刃を長くしたような道具を出して、
思い切り、
男の足を刺した。
2,3度繰り返し。
これでもかって力をこめて。
「ぎゃあぁああ!!」