執行猶予3年


ロクでもない事は、
なんとなく分かってる。

これは、
俺の秘密。
誰にも言えない。

この頃は、
生活も落ち着いてた。

ある、
夏の終わりそうな夜。


「この近くで、
祭りがあるんだって。」

洋ちゃんの一言で、
その神社に行った。

もう、
遅くて、
夜店は閉まりかけていた。
それでも、
唐揚げのパックを買って、
祭りの終焉を味わった。

人生が終わるそんな時も、
こんな感じなんだろうな。

その帰り道。
明日も仕事だけど、
居酒屋へ入った。

この面子で、
外で飲むのは、
久方ぶりだった。

「最近どうよ。」

「どうも糞もねえよ。
…最悪だ。」

「まあ、でもさ。
こうして、
外で酒飲めるなんて、
俺らもちゃんと生活できてきた証拠じゃん。」

洋ちゃんの一言に、
胸がえぐられる。

ははは…。

ちゃんと生活ね。
できてるんかな?

未だに、
その日暮らしの生活で、
安定も安住もない。

はっきり言って、
疲れたわ。
何のためにこの苦労してるのか、
さっぱりわからねえ。


自由ってものに憧れてたんだ。
何のしがらみもない自由。

社会を斜に見て、
こんな社会なんて、
思ってた。
俺は特別なんだって、
思いたかった。

まぁ、
そんな俺は、
その他大勢の内の一人だと、
気づいたんだけれど。

結局は、
斜に見ていた社会とやらに、
振り回され続けてるんだけど。

結局、
何してるんだか…。



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