執行猶予3年


それでこの病院に、
見 学に来た。
見学ね。

そう、
あの廃屋と間違えた病院。
家からチャリで3分。
立地条件最高。

中に入ると、
まあまあ…
スーツをばっちりキメて、
受付の姉ちゃんに、
見学に来たんだけど…。
伝えると、
部長と呼ばれるおばちゃん?
婆ちゃんが、
私服で出てきた…。

誰だ?

俺らにとって部長ってのは、
看護部長。
看護師のトップ。

でも出てきたのは、
ババア。
汚いベスト着て、
モンペ履いて、
でも、
部長やんな…?


病室と、
検査室見せてもらってはい終了。

帰ろうかとしたとき、
部長とやらに呼び止められた。

「松永さんは、
今日履歴書持ってきてる?」

「持ってるっちゃ持ってますけど、
鉛筆書きですよ?」

「いいのよ。
面接しちゃいましょ?」

「はぁ?」


成り行きで面接。
しかも面接官この婆一人。
普通こう、
看護師長とか、
総務課とかおらん?

「いつからこれる?」

「一日から働けますが・・・。」

「じゃぁ、よろしくね。」

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