執行猶予3年


あった。
何がって?
白衣だよ。

「Mサイズでしたよね。
これが白衣です。
シューズも。
更衣室とタイムカードについて、
後で説明しますね。」

どうせ患者だろうって思って、
適当な恰好で、
来てしまった。

「タイムカードは、
ナース室にあります。
朝、病院に来たら、
必ず押してください。」

あわわわ。
願わくば、看護師さんに会いませんように。

「ここがナースステーションです。」

ナースステーションのドアの上部に、
ガラスがあった。
そこから覗くと、
おっかねー顔の、
看護師2名。
他数名。

一人は小柄なおばちゃん。
怖そうだ。
もう一人は、
大きなおばちゃん。
いかにも怖そうだ。

その二人のインパクトが強くて、
他の看護師は霞んでた。


そんな考えを巡らせていたら、
案内してくれてた事務の姉ちゃんが、
扉を開けた。

「こちら、
明後日から働く看護師さんの、
松本さんです。」

こんなナリで、
勘弁してくれ…・・・。

じろりと、
おばちゃん二人の目が動く。
俺硬直。

「よろしくお願いします~。」

次の瞬間、
ヘラってして、
言ってみた。

表情の変わらん二人。
怖ぇぇぇえぇええぇ!

やべっ。
就職先間違えた…。




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