執行猶予3年
紹介も終わって、
事務員が半端に扉を閉めた。
俺がガラス越しに中を盗み見てる。
すると、
おっきなおばちゃんが、
小指と親指を立てて、
事務員に伺いたててるのが見えた。
どうやら、
俺の性別を聞いてるようだ。
俺が見えないと思ってるらしい。
そんなとき、
俺とそのおばちゃんの目が合ったような気がした。
おっかないので、
気のせいと言う事で、
自分の中で自己完結した。
あぁ、どこに行っても同じなのか。
そんなもんだよな。
もう、
”自”で行こう。
それで駄目なら、
駄目でいい。
俺が認められないのなら、
俺はそれまでだったということだ。
もう一度、
自分と言うものを探してみよう。
此処では、
話せないようなことをいっぱいした。
許されるとは思わない。
けれど、
やっぱり諦められない。
自分の何もかも。