執行猶予3年
それから2日後。
俺は、
例のナースステーションに、
白衣を着て居た。
まぁ、
やることなんか分からんくて、
手持無沙汰で、
立ってるだけなんだが。
あぁ、
やばい。
マジ緊張する。
そうこうしてるうちに、
こないだのおっきなおばちゃんが現れた。
確か、
夜勤明けだったような気がする。
そのおばちゃんが、
俺の方に、
無表情で、
しかも、
ものすごい勢いで突進してきた。
ちょ、
待て!
俺まだ何にもしてねえよな!
しょっぱなから何かしたか?
いやいや。
してねえ!
刹那の葛藤。
その次の瞬間。
脳に強い衝撃が走った。
…・・あ?
「ごめんね~~~!」
…・・は?
なんのこっちゃ。
少しの間、
状況が理解できなかった。
俺、
おばちゃんに抱きつかれてる?
朝のナースステーションで、
熱い抱擁。
「昨日、間違っちゃった。
見てたんでしょう!?」
あ、あぁ・・・。
あれね。
「見えてました…。」
「だって分かんなかったんだも~ん。」
すっぴんだったし。
髪、バッサリ言ったからな。
しかもあの服だしな。
でも決まった。
俺このキャラで行こう。
ありのままの、
おれで。
それからしばらくたって、
そのおばちゃんが、
椛田(ハナダ)さんだって知るんだけどね。