執行猶予3年


それから間もなく、
おっかない顔した、
ちっちゃいおばちゃんがきた。


「あ、師長。」

師長らしい…。
まぁ、
普通に怖いんだけれど。

その師長が、
俺の前まで来た。

まぁ、
怖いんだけれど。
したらば、
ニカって、
笑うんだよね。

「よろしくね。」

「よろしくお願いします。」


この辺はよく覚えてない。
記憶があいまい過ぎて。

よく覚えてるのはこの後だ。
朝の朝礼をして、
自己紹介をした後。

よろしくお願いしますなんて、
ありきたりなこと言って、
申し送りをした時のこと。

確か椛田さんが夜勤明けで、
日勤者に申し送りをするんだけれど。

周り見渡して、
不思議じゃないですか?
だってね、
俺と師長しかいないんだよ。

後送りをする椛田さん。

あれ?

他の看護師は?

とりあえず師長と一緒に送りを聞く。
患者いろんなのいるな…。
そのくらいにしか思わんかった。


その日は確か、
月曜日。
今では魔の月曜日となってる。

聞いてくれ!

「ほら、松永君!
シーツ交換行くよ。」

君?
まあ、間違ってるんだろう。
その後しばらくして聞いたら知っていたらしい。
師長も、
事務職の女の子に、
あの子の下の名前は?
一愛ちゃん?
女の子ね!

みたいな。


話は戻るけれど、
シーツ交換だと言われて、
言った部屋。
11人いた。

これ二人でやんの?

「もう一部屋あるから。」

22人…。
仕方ない。
やろう。
患者を車いすにどかして、
猛スピードで、
シーツ交換をしていく。

暑い。
臭い。

「担送!!」

師長と二人一組でシーツ交換をしてる最中、
遠くで、
そう叫ぶ声がした。

「松永君!
担送行こう!」

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