執行猶予3年

師長に言われてついて言ったけれど、
なんのこっちゃ分からんかった。

タンソウ?
何だそれ?
わけわかめじゃ。

そうして、
別の階3階に行くと、
ベッドに寝てる患者の下に、
布が敷いてあった。

…?

その布には8つの取っ手が付いていた。

……???

「ほら持って。」

何を?
ベッドを囲むように、
ヘルパーと師長が立っていた。
俺も真似して立って、
その取っ手に手をかけた。

すると、
せーの!
の掛け声と共に、
その布ごと患者を持ち上げた。
4人で持ち上げ、
患者を下の階へ運ぶ。
俺は、
一つの疑問が浮かんだ。


患者を下の階に置いてあった、
車いすにおろして、
俺は周りを見渡した。

無い。

大事なもんがない。
いやいやいや!

どっかになんだろうよ。

「師長…。」

「ん?」

「…エレベーターって…?」

「そんなもんないよー!」


はぁああぁああぁ?

此処は病院じゃないんですか?
そう言えば案内した婆。
エレベーターに乗らなかった。

ねえから乗らんかったのか!
此処は21世紀。
先進諸国の日本。
しかもその首都東京の23区内…。

ははは。
マジMAD!
イケてるね。
超ウケる。

それから一時間。
担送しながら、
その合間にシーツ交換した。



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