執行猶予3年
ちょっとのはずみで、
此処で働くことになった俺達。
「松永、俺のプリせプ?」
「なかなかねぇよ(笑)。」
毎日一緒に、
デクビ処置。
褥瘡(じょくそう)処置の事。
寝た切りの人にできやすいって、
聞いたことある?
床ずれの事なんだけれども。
俺たちが知っているデクビの限度を超えていた。
骨が出ているもの。
深い穴の変わったもの。
肉の色が変わっているもの。
変な色の液が出ている人。
手の平の大きさを超えるもの。
一番きついのが臭い。
鼻をつくような、
肉が腐ったようなきつい臭い。
其れを毎日洗い、
先生の指示通りの処置をしていくのだが、
人数が半端じゃない。
デクビ持ちが入ってくることもざらだけど、
此処で出来る人もいる。
患者総数に対して、
職員の人数が足りな過ぎるのだ。
看護師常勤5名。
看護助手(ヘルパー)9名。
確かそのくらいだった。
患者総数、病棟60名。
療養棟20名。
24時間勤務。
どれだけ、
総数が無理なことをしているか分かる?
足りない所は、
バイトで何とか補うけれど、
夜勤バイトは、
それなりに居ても、
日勤はいない。
まぁ、
目の回るような日々でしたよ。