執行猶予3年

「何着てけばいいの?」

「何でもいいのよ~。
服さえ着てれば。」

なんて言ったのが、
常勤の秋田さん。
まぁこの人も後のトラブルメーカー。

これで、
常勤全部。

「何着て行ってもいいって、
洋ちゃんとか、
金髪で行くよ?」

「いいんじゃないの~?」


まぁ、
軽い感じのを想像していた。
この人数だし、
どっかの居酒屋で、
どんちゃんやるんだろう見たいな?


さぁ仕事仕事。



朝無駄に早く仕事に行って、
今日の段取りなんか考えてた。

その日の夜勤明けは、
椛田さん。


「どうよ?
少しは慣れたか?」

気前のいい人だ。
茨城訛り。
俺の故郷と話しのくせが似ている。


「まだまだな感じっすわ。」

「しゃあんめべ。」

「ねえ、吉川先生、
辞めちゃうの?」

「…部長だよ。
もめたみたいだ。」


部長ってのが、
あの俺が、
面接を受けた婆。
あの婆意外とくせものだった。
なんの免許も持ってないのに、
看護師の仕事に介入してくるのはもちろん。
医者の仕事にまで介入してくる。

俺らとしちゃ、
気分のいいもんじゃない。
ちゅうか、
ウザすぎだろ。

それが、
毎週火曜日。
それぞれの所属長が参加する会議で、
大々的にもめたらしい。
吉川先生も、
医者のプライドがある。
引けなくなってしまったのだろう。

話を聞いたら、
どうやら辞めるのは、
本当らしい。

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